経産省から次亜塩素酸水に関してコロナウィルスの消毒効果があるとの報告が発表されました。
次亜塩素酸水は、安価で入手する事ができ、既に多くの食品工場などで利用されていましたが、独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)から、効果が確認できていないとの曖昧な中間報告が何故か発表されたため、多くの波紋を呼んでいました。
大学や研究所から、NITEの発表に対して、多くの反論が出たため、検査のやり直しと早期の発表が行われたと思われます。
経産省からの次亜塩素酸水に関しての発表
発表日:令和2年6月26日(金)
タイトル:新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について最終報告をとりまとめました。
~物品への消毒に活用できます~ 発表者名:独立行政法人製品評価技術基盤機構 消毒手法タスクフォース
資料の概要: NITE(ナイト)[独立行政法人 製品評価技術基盤機構 理事長:辰巳 敬]は、第5回「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」を6月25日に開催し、新型コロナウイルスを用いた候補物資の有効性評価結果の最終報告をとりまとめました。
今まで公表済みの結果に加え、新たに2種の界面活性剤、及び一定の濃度以上の次亜塩素酸水が、新型コロナウイルスの消毒に対して有効であることが確認されました。
- 1.独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、経済産業省の要請を受け、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、家庭や職場におけるアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすため、上記検討委員会を4月に設置し、消毒方法の有効性評価を進めてきました。
- 2.昨日6月25日、最終回となる第5回検討委員会を開催し、国立感染症研究所、学校法人北里研究所、国立大学法人帯広畜産大学、国立大学法人鳥取大学及び一般財団法人日本繊維製品品質技術センターと共同で進めていた新型コロナウイルスを用いた検証試験結果について審議を行い、最終的な報告をとりまとめました。結果の概要は、以下のとおりです。(赤字部分が、今回委員会で新たに判断された事項です。)
(1)界面活性剤は次の9種を有効と判断しました。
- ・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
- ・アルキルグリコシド(0.1%以上)
- ・アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
- ・塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
- ・塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)
- ・塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)
- ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
- ・純石けん分(脂肪酸カリウム(0.24%以上)
- ・純石けん分(脂肪酸ナトリウム(0.22%以上)
(2)次亜塩素酸水は、以下のものを有効と判断しました。
・次亜塩素酸水(電解型/非電解型)は有効塩素濃度35ppm以上
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは有効塩素濃度100ppm以上なお、今回の検証結果を踏まえると、
次亜塩素酸水の利用に当たっては以下の注意が必要であることが確認されました。
①汚れ(有機物:手垢、油脂等)をあらかじめ除去すること
②対象物に対して十分な量を使用すること - 3.今回の検証結果のとりまとめにより、新型コロナウイルス対策のための家庭や職場における消毒方法の選択肢がさらに広がることを期待いたします。
なお、有効とされた界面活性剤を含む洗剤等は、NITEホームページで「効果が確認された界面活性剤を含む洗剤等のリスト」(※1)として公表しており、今回の追加を踏まえた情報に更新しました。
また、家庭用洗剤を使って身近なものを消毒する際の動画(※2)を作成し、公開しました。
※1 https://www.nite.go.jp/information/osirasedetergentlist.html
※2 https://www.youtube.com/watch?v=38HY_4-5sCU&feature=youtu.be - 4.本発表に関連する資料
- ・「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(最終報告)」
- ・上記報告の概要ペーパー
- ・その他、第5回委員会の資料
- (参考1)検討委員会について
- 「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」
- 委員長: 松本哲哉 国際医療福祉大教授(日本環境感染学会副理事長)
- 委員会の構成: 国立研究所/大学の学識経験者、関係団体他
- オブザーバー: 厚生労働省、経済産業省他
- (参考2)委員会の検討経緯
- 第1回(4月15日) 検討開始
- 第3回(5月21日) 界面活性剤5種について有効と判断。
- 第4回(5月28日) 新たに界面活性剤2種(計7種)について有効と判断。なお、「次亜塩素酸水については、今回の委員会では判断に至らず、引き続き検証試験を実施することとされました」。(5月29日プレスリリース文より)
※参照:独立行政法人 製品評価技術基盤機構(https://www.nite.go.jp/information/osirase20200626.html)
新型コロナウイルスに有効な消毒・除菌方法
経産省は手洗いの方法なども含めた家庭向けの「新型コロナウイルスに有効な消毒・除菌方法」を公開し、具体的な使用方法を紹介しています。
参考:https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626012/20200626012-1.pdf
NITEが、実際のコロナウィルスでテストして確認しているため、次亜塩素酸水は効果がある事を逆に発表した形になりました。
しかし、次亜塩素酸水には、「汚れを落としてから利用する」という使用方法を何故か説明しています。
次亜塩素酸水を取り扱う企業の中には、次亜塩素酸水が業務用から家庭用になる事で、不都合となる団体や政府関連部署があるのではないかとの話をよく聞きます。
安全で殺菌力の高い次亜塩素酸水をもっと使いましょう
表から分かるように、濡れた場所の除菌をアルコールは出来ないのです。
それでは、濡れたところにはウィルスはいないのでしょうか?
唾からコロナウィルスのPCR検査用の検体を取得する方法も検討され実現されたのですから、濡れたところにも菌はいますよね。
除菌と同時に消臭も行う「次亜塩素酸水」は、業務用という利用方法から家庭用に広まる事となりそうです。